黙渓

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b0136001_16504065.jpgぬける青空に美しく映えわたる北アルプスの雪山。そこから流れ出す高原川は周辺の温泉効果により3月始めでも水温が高い川だ。つまり水生昆虫のハッチとそれに伴うライズの釣りが雪景色の中楽しめるところなのだ。
今回のお仲間は仕事仲間でもあり、友人でもある大谷社長といたごんさんこと板屋さんが石川県の金沢から一緒に釣りをしようと駆けつけてくれた。
「10時頃にはフタバコカゲロウやシロハラコカゲロウ、ガガンボなどがハッチしだしますから」
いたごんさんが流れを指さしながら説得力のある話をしてくれた。
彼は高原川にはかなり通い詰めているベテランで、年間釣行日数が60日以上という、かなりうらやましい人だ。
そんな心強いガイドでまずは案内されたのがアルプス広場前というまさに大きな空間のある広い河原である。
その河原の真ん中を流れる、ちょっとオリーブがかった流れが今回のステージだ。
[写真右]
高原川、通称蒲田川の開放的な流れ



b0136001_1701298.jpg大石のよれで静かにライズが始まったのが11時ちょうどくらい。でも本来の高原のライズの数ではないようだ。ほんの気まぐれ的に気が向くとライズをおこなう、他の流れのほとんどは沈黙したままだ。かなり魚はスプーキーのようで18番のフタバイマジャーをしっかり見切ってくれた。
ティペットをフロロカーボンの9Xに落として#22のユスリカフローティングピューパをライズ地点の30センチ上流に強めに落とす。
フライを吸い込んだのは20センチほどの小振りな岩魚だった。
[写真左]
大谷社長が掛けた山女魚はとても綺麗な艶をしていた。


しばらくすると背後からドスの効いた声が河原に響く。大谷社長だ。
この人は僕より歳下なのだが、仕事上では遙かに上をいっている大先輩でもある。人望も厚い、そして釣りにも熱いお人良しな方である。
そんな大谷社長が言うには、「蒲田のアルプス広場でライズをバンバン取れるようなら、そりゃー自慢できるぞ。
なんだってここは高原川の銀座さあ、魚はスレスレだからな」

そんな話を聞けば、今日はライズが少なくともここで骨を埋めたくなるような心づもりになったのだが、大谷社長が「蒲田のライズはこんなもんじゃない、ここは他に移動した方がいいだろう」とこれまたドスの効いた大声で言うものだから、ここは地元の意見に従い後ろ髪を引かれながらかなり上流に移動することになった・・・

「ここ高原川は雨や曇りの時にライズが多く良い釣りが出来るんですよ」と快晴の空を見上げて残念そうないたごんさんさん。
僕の行くところ雨多し・・・昨年の釣行雨天率8割以上の成績だった僕なのだが、今回は雨が期待出来ないようだ。今年に入ってすべての釣りで雨男になっていない事にその時気づいた。

結局この日は思わしくない釣果だったのだが、僕はぜんぜんソンなことは気にしない。
なぜならばこのあとは熱めの温泉で冷えた身体を解凍し、お宿の美味しい夕食を頂く・・そんなおいしい事が待っているからだ。

b0136001_16581355.jpg夕食後はお待ちかねの一杯と釣り談義がこれまた楽しい。
日本酒を持参したいたごんさんはなんと金沢の造り酒屋の杜氏なのだ。
純米吟醸は湯飲みの中でも限りなく透明な色あいをしており、その味わいはまさに加賀100万石の壮大な歴史を感じさせる"気"を感じる。
ガラス窓の向こうには星と月でボンヤリと輝く北アルプスの峰が黒びかりしている。口のなかでじわっと広がる旨みが今日の釣旅の締めくくりだ。
[写真右]
きれのよい飲み口 純米吟醸酒"加賀鳶"
http://www.fukumitsuya.co.jp/


2日目、快晴、昨日よりも更に快晴・・・
朝の7時、源泉かけ流しのたっぷりのお湯に浸かりながら、昨晩眺めた峰とはまったく違う、真っ白な姿に気持ちが晴れる。そうさ、ライズが無くとも今日はいい釣りをするぞ!
河原は川下から吹き上げる風がつめたい。風の谷、風の通り道でもある今日の高原川はライズ狙いのフライフィッシャーに厳しいお日柄のようだ。
数匹の小さな山女魚を瀬を叩き上がっていくつか釣り上げたがタイムアップになった。何せ、本日中に山梨の忍野に仲間の陣中見舞いに行かなくてはならないからだ。
今回はいいライズには出逢えなかったけれども、いい仲間、おいしお酒、芯から温まる温泉が心を豊かにしてくれる・・・
奥飛騨の雪代は4月末から始まり6月一杯続く。7月の頃にはどんな高原川が待っているんだろうか。
大谷社長様、いたごん様、そして2日目にお会いした金沢のフライフィッシャーの方々、本当にありがとうございました。

b0136001_16472266.jpg宿の紹介です。
新穂高温泉
別館 まほろば
TEL0578-89-2382
(※)美味しい食事と温泉は釣旅のお宿として三つ星クラス。

泉質は単純泉だが驚くほど温まる無色透明の熱めのお湯。
微妙に香る泉質のにおいは炭酸水素塩泉によるものなのだと思う。
(※)僭越ではありますが、私、長島が釣旅としてのおすすめのお宿を個人的主観の元に評価させて頂きました。
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# by katsu-flux | 2008-04-14 10:00 | 釣旅